日本では、金融機関より金融当局の方が地位が上で、民間銀行は日銀や金融監督庁に土下座している。だが米国は逆で、民間銀行が連銀や財務省を動かしている。19世紀末、JPモルガンなどニューヨークの大銀行家たちが、財政破綻した米政府に金を貸して救ってやって以来、現在まで、米財務省は銀行家の意に反したことをやらない。第二次大戦前はJPモルガン、戦後はロックフェラー財閥、そして冷戦後はゴールドマンサックスが、米政府の経済政策を立案する黒幕である。
米連銀や財務省は、昨年夏に金融危機が始まった時から、未必の故意と疑われる失策を繰り返し、リーマン破綻後は、財政赤字を不必要に急拡大している。ドル急落は、米政府の意志である。話を広げると、ブッシュ政権は政治軍事面でも、イラクやアフガニスタンの占領を非常に稚拙に展開し、未必の故意的に大失敗させている。政治面でも経済面でも、意図的な覇権の崩壊が誘発されている。
シティグループ自身、11月27日には「金相場は来年末までに1オンス2000ドル以上まで急騰する」という予測を発表した。現時点の金価格は約800ドルなので、2倍以上だ。以前に書いた「操作される金相場」で指摘した、金を下落させている金融機関の空売りが、そろそろ終わりに近づいている。上記のWSJの記事やロジャーズの話と合わせて考えると、来年には、金が高騰してドルが崩壊しそうだ。
保険会社であるAIGは、保険の一種であるCDSを巨額に引き受けており、その中にはリーマン関連の債権に対するCDSもあった。それらの債権自体は、ゴールドマンなどが所有していた。リーマン破綻によって、ゴールドマンなどはAIGから保険金(清算金)を受け取る権利を持ったが、AIGが破綻すると、CDSの保険契約自体が無効になり、支払いを受けられない。ゴールドマン出身のポールソンは、公金を投入してAIGの倒産を防ぎ、AIGの株式の8割を米政府が買収して経営権を乗っ取り、AIGに投入した公金を使って、ゴールドマンなどが持っていたリーマン債権などに対するCDSを清算し、損失の発生を回避した。
AIG救済策を主導したのは、ティモシー・ガイトナーが総裁をつとめていたニューヨーク連銀だった。ガイトナーはオバマ政権の財務長官になる。金融機関を救う代わりに米財政を破綻させるやり方は、オバマ政権にそっくり継承されそうである。
参考:
http://tanakanews.com/081128bank.htm
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